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フリーメールの限界(最終更新日 2003/11/28)

ビジネスとしてのフリーメールの現状
誰でも「タダ」という言葉には弱いですよね。

最近流行のフリーペーパーやフリーソフト、そしてフリーメールはいずれもタダで使用できるものです。
このうち、フリーメールの大半は、ユーザに広告メールを配信することで、広告収入を企業から受けて運営しています。(早い話、テレビの民放と同じですね。)

さて、このフリーメールですが、ビジネスとして成功するのでしょうか?
実際、いくつかのフリーメールを持ってますが、いずれも苦戦しているように見えます。

フリーメールがビジネスとして成功するためには、配信するメールが、受信ユーザにとって魅力的なのは当然ですが、その広告力が、広告主である企業にとって魅力的でなくてはいけません。

しかし、文字のみで構成されることの多い広告メールは、受信ユーザにとって、わかりやすい広告であるとは言い難く、きちんと読まれる前に破棄されることのほうが多いはずです。
一方、装飾を施した HTML メールにしたところで、重たい、ウィルスが添付されている危険性がある、などの理由で、読まれません。


一方、同じく広告を収入源とするフリーペーパーの場合、冊子を見た瞬間に広告が目に飛び込んできます。
この点、メールは最初に飛び込んでくるのは、広告のお題目のみ。肝心の本文は受信ユーザが能動的に開かない限り、永遠に見られることはないのです。

経済産業省が未承諾広告の取り扱いを決定して以来、受信ユーザがメールのダウンロード時に自動的に削除するなど、ますます、フリーメールの広告力は低下していると思われます。
タダではないメールを目指して
さて、そういったフリーメールの現状を打破するために何をなすべきか、です。
フリーメールにとって、ユーザは大きく2つに分類できます。
@ 受信ユーザである不特定多数のパソコンユーザ
A 広告主である企業(もしくは個人)
ユーザの枠組みを増やさないと仮定すると、上記のユーザから利益を生み出さなければなりません。

@からの利益を生み出すとなると、もはやフリーメールではなくなります。
やはり、広告主である企業からの利益増加を目指すべきでしょう。

となると、広告を配信したくなるような魅力を持つフリーメールである必要性がでてきます。
「広告を配信したくなるような魅力=受信ユーザが必ず読むメールを配信できる」ということです。

受信ユーザに必ず読ませるにはどうすればよいか。ただ、このときの前提条件として、「気持ちよく」読ませる必要があります。
「読まなければいけない」と強迫観念に駆られた瞬間、そのフリーメールからユーザは去っていくでしょう。

ほんの一例ですが、たとえば、広告メールには懸賞をつけておくというのはいい方法かもしれません。
企業側の負担は増えますが、その宣伝効果に見合った懸賞にすれば済む話です。
また、広告メールを物語風にし、小説を読んでいるかのような感覚で宣伝を行うなどなど。

いずれにせよ、フリーメール側の多少の努力では、現状のユーザ離れを食い止めることができないでしょうが、このような付加価値をつけた「タダではないメール」を配信することで、「タダのメール」を維持していけるかもしれません。