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紙の仕様書は必要か?(最終更新日 2002/10/03)

デジタルの世界のアナログなところ
システム屋という職業柄、いろいろな設計書を作成するんですが、一向に減らないのが紙の仕様書です。
一昔前に紙資源の無駄をなくすという名目でファイルサーバとか、文書管理ライブラリとかが導入されましたが、紙の印刷物が減るどころか増える一方です。

そもそもの理由が紙の仕様書で承認をうけているという点でしょうね。
実際に担当者と統括者(この言い方もどうかと思うのですが・・・)の日付印が必要ですが、極めてアナログ的という他はありません。

電子文書で管理しているのに、それとまったく同じ紙の仕様書が日付印を押下された形で本棚の中に所狭しと陳列してあります。

確かにファイルサーバや文書管理ライブラリなどがなく、手書きで設計書を書いていた時代には、紙設計書しかないため、それに日付印を押下し承認するという方法しかなかったのでしょうが、今は別にその方法しかないわけではありません。単に古い慣習を疑念も抱かずに踏襲しているにすぎないのです。
(ポプラン風の言い方をすれば、「年寄りどもの古い悪習に馬鹿のように一緒にしがみついているだけ」)

承認という行為は大切な行為ですが、日付印を押すという行為はどうでもいいことです。
(中には、それを生きがいにされている方もおられるようですが・・・)

まさしくデジタル世界のアナログ的なところの代表格といってもいいでしょう。
それでも必要なのか?
紙でなければならないという必然性はないのですが、紙のほうがいいということはあります。

まず、検索の柔軟性が違います。
ある特定の文字を検索したい場合は、コンピュータをしようした電子文書のほうが優りますが、かなりの推測や当たりをつけて検索する場合、紙をペラペラめくったほうが圧倒的に見つけやすいのも事実です。
あと、画面だと見える領域が(文字として認識レベル範囲で)決まってしまいますが、紙に印刷されている場合、B4であろうがA3であろうが、ましてやA1であっても、1枚にすべての情報が格納されます。



しかし、だからといって紙の仕様書が常時必要であるという結論にはなりません。

必要に応じて印刷すればよいわけであるし(大概の仕様書は作成してから数年も経過しないと開いてもらえないため、都度の印刷でもたかが知れている)、承認行為にしても電子承認を導入すればまったく問題はありません。

極力余計な紙の仕様書は作成せず、電子文書として保存していきたいものです。