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数の基礎

1. 自然数とは・・・
自然数とは、一般に 1, 2, 3, ・・・ といった、1 から順番に +1 した数字の集合です。
以下、自然数の集合を N (Natural Number : 英語の自然数) と記述します。
自然数=1 から順番に +1 した数字の集合
一部の文書では、自然数に 0 を加えていますが、この文書では 0 を含めないこととします。


2. 整数とは・・・
整数とは、自然数と、自然数の任意の要素に対する逆元(すなわち負の数)の集合、および {0} の和集合です。
以下、整数の集合を Z (Zahlen : ドイツ語の数の複数形) と記述します。
整数 = 自然数と負の数、および 0 を要素にした集合
集合の記号で整数を記述すると、以下のようになります。
(例 2-1)
ZN ∪ { -1 × x ; ∀x ∈ N } ∪ { 0 }
自然数は、整数の部分集合になります。(すなわち NZ です。)


3. 有理数とは・・・
有理数とは、任意の整数と任意の自然数の割り算で得られる数の集合です。
以下、有理数の集合を Q と記述します。
有理数 = 任意の整数と任意の自然数の割り算で得られる数の集合
集合の記号で有理数を記述すると、以下のようになります。
(例 3-1)
Q = {x / y ; ∀x ∈ Z, ∀y ∈ N}
整数は有理数の部分集合になります。(すなわち、ZQ です。)

有理数に関して、その定義から、以下の定理が成立します。
[定理 4-1]
有理数は、循環小数である。
すなわち、小数点以下が
 0.a1a2a3...an{b1b2...bn} ({ } 内は無限回繰り返し)
となる。

逆に、循環小数であれば、有理数である。


4. 実数とは・・・
実数とは、有理数で作成される数列の収束値のことです。
より直感的に考えると、数直線上の任意の点は実数になります。

高校数学での数は、通常、実数を指し示していることが多いようです。

以下、実数の集合を R (Real Number : 英語の実数)と記述します。
実数 = 有理数で作成される数列の収束値の集合
有理数は実数の部分集合になります。(すなわち、QR です。)

有理数は循環小数でしたが、実数は必ずしも循環小数ではありません。(無理数の項を参照)


5. 無理数とは・・・
無理数とは、実数であるが、循環小数ではない数の集合のことです。
空集合=循環小数ではない実数の集合
すなわち、実数の集合は、有理数の集合と無理数の集合の和集合で構成されます。

無理数の代表例として、以下の数があげられます。
(例 6-1)
円周率 π = 3.14159265358979323・・・

(例 6-2)
自然底数 e = 2.7182818284590452・・・

無理数は実数の大部分を占めます。


6. 虚数単位とは・・・
虚数単位とは、平方すると、-1 になる数のことです。
虚数単位=平方すると -1 になる数
-1 の平方が 1 になることから、実数の平方は、必ず正数(正の実数)もしくは 0 になります。
しかし、虚数単位の場合は、平方すると、-1 になることから、実数の特徴を満たしていません。

通常、虚数単位は i で記述します。すなわち i2 = -1 となります。


7. 複素数とは・・・
複素数とは、2つの実数 x, y および虚数単位 i を用いて x + yi 記述される数の集合です。
以下、複素数の集合を C (Complex Number : 英語の複素数(複雑な数!))と記述します。
複素数=実数 + 実数 × 虚数単位 で記述される数の集合
集合の記号で複素数を記述すると、以下のようになります。
(例 3-1)
C = {x + yi ; ∀x,y ∈ R}
任意の複素数 ω に対し、ある実数 x,y を用いて ω = x + yi と記述できたとき、x を実部、y を虚部といいます。

特に虚部が常に 0 である数が実数であると考えられるため、実数は複素数の部分集合ということになります。(すなわち RC です。)